柏島魚類データベース

Acanthopagrus schlegeli Bleeker, 1854 クロダイ

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属名 Acanthopagrus クロダイ属
学名 Acanthopagrus schlegeli
和名クロダイ
記載 Bleeker, 1854
サイズ 全長 50cm
説明体は楕円形で、よく側辺する。吻はやや尖る。両顎前部に3対の門歯状犬歯が、側部には3列以上の臼歯がある。本種は背鰭棘条部中央下の上方横列鱗数が6枚以上と多く、他種と区別される。体は銀白色または暗灰色。背鰭11〜12棘11軟条、臀鰭3棘8軟条、側線鱗数48〜56枚。
分布内湾、汽水域や沿岸の岩礁。北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海;朝鮮半島全海域沿岸、済州島、台湾、渤海、黄海、中国東シナ海・南シナ海沿岸、ベトナム。
生活史産卵期は春から夏で、南は早く、北で遅い。産卵水温は16.5〜22℃で、産卵は夜に行われる。卵の径0.8〜0.95mm、油球1個の分離浮性卵である。水温19℃、40〜45時間で孵化する。孵化仔魚は全長2mm。成長は一般的に遅く、大村湾では9年で40cm前後に成長する。クロダイの性転換は有名。体長9cmまでは性的未分化であるが、10〜27cmでは雌雄同体の両性魚となり、春には雄として機能する。次の年には雄として再び成熟する個体もあるが、大部分が雌に分化し、卵巣が成熟する。仔稚魚は湾内や岩礁域などの藻場などで生育し、甲殻類の幼生なを食べる。成魚は小型甲殻類から多様な大型の動物を餌にするが、海藻類も食べ、貪食で雑食性が強い。クロダイは、環境、低塩分、水温の適応範囲が広くて強い。回遊では陸岸沿いの小規模な移動や、季節的な深浅移動が知られている。地着魚(ヂツキ)と移動魚がある。周年漁獲されるが、主に4〜12月が多い。釣り、定置網、吾智網、刺網などで漁獲される。クロチヌ(高知)
参照